フラックス洗浄とは、プリント基板、パワーモジュール、半導体パッケージ、リードフレームなどを保護しながらフラックス残渣(コンタミ)を除去する事です。
フラックス残渣があることにより、マイグレーションの発生、コーティングやモールディングの密着不良などの不具合が起きる可能性があり、フラックス洗浄が必要なケースがあります。
今回は、フラックス洗浄方法を検討する場合のポイントの1つである『洗浄剤』について解説します。
洗浄剤は大きく分類すると「水系」「準水系」「溶剤系」に分別されます。
【洗浄剤の種類】
水系洗浄剤 ... 水が主成分を占める洗浄剤
準水系洗浄剤 ... 水の含有率が約50%の洗浄剤
溶剤系洗浄剤 ... 有機溶剤が主体の洗浄剤
今回は、水系洗浄剤と溶剤系洗浄剤について解説していきます。
水系洗浄剤は作業環境に優しく圧倒的な安全性を持っています。
「水系洗浄剤」は水が主成分を占めるものです。水割合が10%程度でも水系洗浄剤と呼称するケースがあり、
安全上の観点から不適切な分類と思われますので、ご注意ください。
水系洗浄剤を分類すると下記の種類があります。
▼水系洗浄剤の種類
洗浄剤として使用する際は、単一成分としてそのまま使用したり、有機溶剤等がブレンドされているものなどが市場に出ています。
▼溶剤系洗浄剤の種類
洗浄剤は用途・目的に合わせて選定しましょう。選定する上でのポイントをご紹介します。
求める清浄度に合わせて選定しましょう。一般的に溶剤系洗浄剤は溶解力が強く、洗浄性が高いと思われていますが、 最新のはんだペーストは性能向上のため、様々な物質が添加されるようになり、有機溶剤では洗浄が難しいケースも増えてきているので、気を付けましょう。
洗浄性が強いと、素材に与えるダメージも強い傾向があります。洗浄時間数の最低10倍の時間で浸漬し、影響がないことを確認することをおすすめします。
洗浄剤に関連する法令として、「労働安全衛生法(安衛法)」、「消防法」、「毒物及び劇物取締法」、「大気汚染防止法(VOC規制)」、「有機溶剤中毒予防規則(有機則)」、「PRTR制度」、「水質汚濁防止法」等があります。各法令を考慮して選定しましょう。
洗浄剤自体の価格だけでなく、廃液処理や液交換作業なども考慮したランニングコストを確認することが大事です。 液単価が安価でも、ランニングコストを計算した時に想定よりも高くなる場合もあります。
水系・溶剤系ともにメリット・デメリットはありますが、傾向として環境問題改善と健康被害軽減のために溶剤系洗浄剤の使用を中止または削減する企業が増えています。
そういった実情について記載した技術資料も無料で提供しておりますので、ぜひご覧ください。
また、ご紹介したポイントは一例ですので、洗浄テストを通してお客様のワークに合った洗浄剤を見つけていただくことをおすすめします。
ゼストロンでは、上記のポイントを踏まえてお客様のワークに合った洗浄剤をご提案いたします。洗浄剤の選定でお悩みの方は、お気軽にお問合せください。
他にも様々な種類の洗浄剤をご用意しております。詳しくは、お問合せください。