スプレー(シャワー)洗浄とは?
スプレー洗浄の重要性とメリット
目次
公開日:、最終更新日:
おすすめ資料「フラックス洗浄の基礎知識」
- フラックス洗浄とは?
- 洗浄剤の種類と選定方法(水系洗浄剤・溶剤系洗浄剤)
- 洗浄方式の種類と選定方法(スプレー・超音波・噴流)
無料ダウンロード
スプレー洗浄の原理と特徴
スプレー洗浄とは、特定の物体や表面に液体を細かい噴霧として吹き付ける洗浄方式の一つです。この洗浄方式では、ノズルから高速で噴射される液体の流れによって、一定の物理的な力が生み出され、対象物の汚れや不純物を効果的に取り除くことができます。スプレー洗浄は、物理力を調整しやすく、液体の置換性にも優れています。
身近な例を挙げると、日常生活ではシャワーを浴びる際や、食洗器のシャワーで食器を洗浄する際にスプレー洗浄の原理が利用されています。また、産業用途では機械部品や電子機器の洗浄、半導体の洗浄などにもスプレー洗浄が広く使用されています。
フラックス洗浄においてもスプレー洗浄は使用されていますが、他にも代表的な方式として超音波洗浄・噴流洗浄があります。
それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
スプレー(シャワー) | 超音波 | 噴流 | |
メリット | ・一定の物理力を得られる ・物理力の調整が容易 ・液置換性に優れる |
・微細な部分までの洗浄効果が大きい ・出力調整により物理力の調整可能 |
・一定の物理力が得られる ・ワークに対しての影響が軽微 |
デメリット | ・角度や形状の調整が不可欠 | ・部材に対してもアタック ・液音制御が必要となる ・超音波で破壊される部品あり |
・よどみは発生しやすく、細部までの洗浄が困難 |
物理的特性 | |||
懸念点 |
スプレー洗浄は、ご紹介した方式の中で唯一ワークを液に浸漬させない方法で、洗浄液自体が物理力を持つ洗浄方式です。そのため、洗浄後ワークを取り出す際に汚れが再付着する可能性が低く、微細部分の洗浄にも効果的です。一方で、製品の形状に合わせてノズルも調整する必要があり、スプレー圧力によって洗浄性も変化するため、注意が必要です。
<概要>
・1日の処理最大目安:500枚程度(基板換算)
・省スペースで設置可能
・洗浄機価格:600~2000万円
・洗浄液の持ち出し量が多い
<概要>
・1日の処理最大目安:数千枚~(基板換算)
・高圧、高速洗浄が可能
・一定のスペースが必要
・洗浄機価格:2000万円~
・洗浄液の持ち出し量が少ない
▼スプレー洗浄の様子が分かる動画
スプレー洗浄の重要性
日本のフラックス洗浄において、スプレー洗浄への注目度は着実に高まっています。
理由の一つとして、電子機器の高機能化や小型化、高密度実装が進展し、これに伴い低スタンドオフを有するデバイスが増加しているからです。高密度実装では電極間の距離が近く、微量のフラックス残渣でも問題を引き起こす可能性があり、確実に洗浄をする必要があります。
そのような複雑な構造を持つワークにおいては、噴流洗浄ではよどみが発生し、細部までの洗浄が困難であり、また超音波方式が使えない部品が搭載されているケースもあります。
その点スプレー洗浄は、複雑な構造を持つワークにおいて優れた洗浄性能を発揮します。
※はんだメーカーである日本スペリア社様と行った共同研究『微細接合向けはんだペースト洗浄性検証』では、スプレー洗浄と水系洗浄剤による低スタンドオフ部の洗浄性検証を行った結果を紹介しておりますので、参考にご覧ください。
高機能製品の信頼性確保には、適切な洗浄プロセスの選択が欠かせません。その意味で、スプレー洗浄は今後ますます重要な役割を果たすことが予想されます。
おすすめ資料「フラックス洗浄の基礎知識」
- フラックス洗浄とは?
- 洗浄剤の種類と選定方法(水系洗浄剤・溶剤系洗浄剤)
- 洗浄方式の種類と選定方法(スプレー・超音波・噴流)
無料ダウンロード
洗浄機構の見直し
既存洗浄方式の限界
微細接合向けはんだペースト洗浄性検証
スプレー・超音波・噴流洗浄の違いや洗浄方式を選定するポイント
洗浄から清浄度分析までワンストップで
洗浄を検討するにあたって、洗浄剤だけでは完結しません。
弊社は洗浄剤メーカーではありますが、ワークに適した洗浄方式を選択するこ と、そして洗浄後の分析も重要と考えています。
そのため、洗浄剤のご提案だけでなく、洗浄方式の選定、清浄度分析もサポー トさせていただきます。